あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 沢庵/投稿日時: 2015/09/30(水) 19:02:54
投稿者コメント:
カービィは出てきません。サブキャラのみの出演となっております。どうぞ、お気楽にお聴きください。
ニ重奏〜デュエット〜 過去編
あれは、いつの頃だったのだろうか…

永遠だと思っていた世界がこんなにも変わるなんて

考えた事もなかった。

だが、それにも、もう慣れてしまった。

この世界は平和だ。だが、薄皮一枚めくるとそこには…

腐敗した、もう元には戻せない、偽りで塗り固められた世界だ。

さて、いつから俺の世界が変わってしまったんだっけ?

思い出してみるのも悪くない…



この国、プププランドには学校がある。
平和でも知識は必要なのだ。いや、平和だからこそ学校があるのかもしれない。そして、俺の世界が初めて変わった出来事の舞台はその、とある学校なのだ。
さて、どんな学校生活を送っていたんだっけ…

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

チャイムの音が鳴り響く。休憩時間だ。

バーニンレオ「やっと、休み時間だぜ!なあ、次の時間ってなんだっけ?スカーフィ」

スカーフィ「次は…何だっけ?忘れちゃった!アハハハハ!それじゃ、私図書室に借りていた本返しに行ってくるから」

チリー「相も変わらず、自由ですね。スカーフィさんは…ねえ
カプセル」

カプセルJ2「ん?ああ…そうだな。本当、自由奔放すぎるんだよな。結局、俺が彼女に振り回されるんだよな!迷惑としか
言いようがないな」

バーニンレオ「ハハハ…さすが、幼馴染だな。羨ましいよ」

俺の名前はバーニンレオ。
あらかじめ、言っておくがスカーフィは女子だ。
そして、俺はそんなスカーフィに恋をしている。
それはともかく…

バーニンレオ「クソッ!部活をサボったから、顧問に出された
反省文が終わらない!なんだよ!反省文に普通、作文用紙3枚出すかよ!」

チリー「まあ、がんばれ。吹奏楽部の部長様が考えたルールだからな。逆らったら、もれなく十年ほど口聞いてもらえなくなるかもよ」

カプセルJ2「スカーフィなら、有り得るな…」

スカーフィ「ねえねえ、何が有り得るの?カプセル?(そう言って教室の中に入る)」

カプセルJ2「バーニンレオが反省文出さなかったら、十年スカーフィは口聞かないかってこと。」

スカーフィ「え〜私、そんな酷い事しないよ。せいぜい、七年かな?な〜んちゃって!」

冗談になってないぞ。スカーフィ。反省文を書き終わらないと
…スカーフィと話せなくなる!

俺達は全員同じ部活、吹奏楽部に入っている。とは言っても、創立したのはスカーフィ。ゆえに、部長。俺達は強制的にこの部活に入れられている。なので、部員は俺と、生徒会長のチリー、そして、スカーフィとは住む家が隣と言う俺にとっては、羨ましい環境にいるカプセルJ2。皆は略してカプセルと呼んでいる。俺は信頼出来る友人が三人もいる。いや、親友とも呼んでも良いレベルだ。
そう、それだから俺はスカーフィに告白できないのだ。
どういう事かと言うと、俺はこの現状を崩したくないのだ。
俺が告白する事で、親友達の関係、失敗した場合のスカーフィの関係が大きく変わる。それが嫌なのだ。それに俺はスカーフィについて気づいてしまった事がある。それは…

スカーフィ「はあ…まだ、終わってないの?まったく…しょうがないな〜カプセル!手伝ってあげて!」

カプセルJ2「私!?と言うかもう授業始まるよ!」

スカーフィ「あ、本当だ。じゃあ、任せたからね、反省文の事は」

カプセルJ2「任せるなよ…手伝うの範囲越えてるだろ」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

授業開始のチャイムだ

スカーフィはカプセルの事が気になっている。本人の方はあまり気付いていないようだ。…こんな負けに等しい状態で告白なんか出来る訳ない!てな感じの日常が流れていた。

流れている…はずだった。

あの日から…いや、もっと前に出来た事はあった。
しかし、俺は行動を起こさなかった。現実から目を背けていた。

スカーフィ「カプセル!?どうしたの、その怪我!大丈夫?何かあったの?」

カプセルJ2「…転んだだけだよ」

スカーフィ「な〜んだ、ビックリした!えいっ!(怪我している
腕を突く)」

カプセルJ2「痛っ!シャレにならないぞ!」

その怪我は明らかに、誰かに一方的に殴られたような感じだった。俺には分かる。喧嘩でもしたのか…しかし、奴はいざという時以外はそんな野蛮な事はしない。

チリー「バーニンレオ、少し話をしましょう」

バーニンレオ「お、おう、いいぞ!」

廊下…

チリー「彼の怪我について、何か知ってるだろ?そういう顔をしていた」

バーニンレオ「お前、俺を疑っているのか?!なんで、俺が親友に怪我させるんだよ!」

チリー「あなたは、スカーフィの事が好き。前から気づいているよ。そして、カプセルにスカーフィが好意を寄せているのを…それで、嫉妬して…」

バーニンレオ「だったら、そんなセコイ真似じゃなくて、正々堂々と、彼女に告白するよ!」

チリー「確かに…それもそうだな?しかし、何故分かったような顔を?」

バーニンレオ「どんな顔なんだよ。…俺さ、少し前まで、いじめられていたんだ。あちこち、殴られた。その傷と似てるんだよ。カプセルの傷って…」

チリー「そうだったのか…すまないな。言いたくない過去を言わせてもらって」

バーニンレオ「いや…むしろ、素晴らしい過去だと、誇れるよ。何故なら、その時に、スカーフィが助けてくれたからだ。それで、彼女の事が好きになったんだ」

チリー「ええ…なるほど。分かりました、それでは私達で探りますか。彼の怪我について」

バーニンレオ「…いや、多分、転んだんだ。そうしておこう。本人もあまり、探られたくないはずだから…」

チリー「…私一人で行動する訳にもいかないんですがね」



俺は知りたくなかった。この現状を壊したくなかった。
いつもと同じ日常でいい。
裏なんて知りたくない。この日常が永遠に続けば…それでいい。




それから、数日後。彼、いや彼の家族はいなくなった。


朝に銃弾の音が聞こえたようだ。スカーフィが証言していた。
スカーフィ自身は、カプセルJ2の父親、カプセルJが射撃練習をしていたのだと思ったらしい。


しかし、家族はいなくなった。先生は転校したと言っているが俺は違うと考えている。

何故なら俺は見たのだ。

父親が息子を撃つという異様な光景を…



その時初めて、俺の世界に疑問が生まれた。

ニ重奏〜デュエット〜 続

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