Prologue・Self-threatening
僕は生まれつき体が弱かった。気も弱かった。
だから、皆僕のことを虐めた。僕が弱いからだ。
お母さんは、自分の健康を犠牲にしてまでも、苦しい家計を支えて来てくれた。
僕は弱かったから、お母さんが身を犠牲にしてまでも、僕を守っている姿をただ眺めることしかできなかった。
お父さんは、ギャンブルに負ける度にお母さんを殴った。僕の事も殴った。そして借金も増えた。
僕は弱いから、何も出来なかった。
どんなに辛くても、お母さんは笑っていた。
僕はお母さんが好きだった。
守ってあげたかった。
でも僕にはそれが出来なかった。