第1話「琥珀の目」
俺の名前は黒莨。死神でもある。
ブルブルスターの工場の工場長をやっている。
今は百人を超える従業員や、有能な幹部・・・っていうか、
まぁ仲間的な3人、そして妻ことみどさんもいる。
だが、この道のりは果てしなかった。
もし、あの事がなかったらと思うと、ゾッとするな...
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2×××年。
あるところに、1人の球体がいた。
名は黒莨。この時にすでに死神となっていた。
生まれたときに既に親を亡くした。いや、
親を殺したといっても過言ではない。
実は、生まれた時には既に右目に「琥珀の眼」という、
恐ろしい目をもっており、長時間見られたものは
何があろうと殺されてしまう。その目を持っていることを
知ってしまった医者は、右目を何かで隠し、そのままどこかに逃げた。
だが、その医者も、長時間見られており、そこで殺されてしまう。
なぜ目を長時間みただけで殺されるのか、それは誰にもわからない。だが、1つだけわかるのは、
「気迫」による死でもあると考えられている。
また、この眼は死神である球体に9割方あることから、
黒莨が死神という事実もわかる。
その目を持ってしまった黒莨は、誰も近寄らず、
ただ1人歩き彷徨っていた。
それから数年後。
ブルブルスターで恐るべき事件が起きる。
その事件とは____
「工場一斉大爆破」事件である。
工場に設置されてあったもしもの起爆スイッチが、
なにかの拍子で作動してしまい、大爆破を
起こしてしまったのだ。
この大爆発により、死人はブルブルスターの人口の8割を超えた。
それをみた黒莨は、
「なんとも無様に散っていくんだろうな
とつぶやき、どこかへ消えていった。
しかし、なぜ黒莨は助かっていたのか?
それは爆風には巻き込まれなかったのではなく、
爆風を「押し返した」からである。
爆風を押し返す力を、既に持っており、
無意識に発動したのである。8割を超えた死人も、
これが原因ではないかと考えられた。
そして2年後。
あるところに、1人の人工衛星が、
黒莨のもとに近づいてきた。果たして__
続