あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: ロウ/投稿日時: 2013/01/18(金) 16:22:58
投稿者コメント:
オリカビの過去話みたいなものをちょっと書いてみようかと思って作ってみました。
今回はロウの過去。
これはあくまでもフィクションです。
自分の過去の話ではありません。
あくまでもオリカビのロウのほうの過去です。
Episode1 〜秘めた孤独〜
「憎たらしい子…。」
「お前といると不愉快…。」

衝動的に怒っていた僕は何も言うことができなかった。
親からそんなことを言われた僕は、居場所を奪われたように家を出た。
最近こればっかりである。
自分が特に何かをしたという事でもないのに親と兄弟は怒ってくる。
わかってる。きっと僕は邪魔な存在なんだ。としみじみ感じてきてしまう。そんな毎日である。

「結局、僕の居場所なんてどこにも…。」
『無いなら作り出そうよ。』
さっきまで一人だった僕のそばには一人の青年が立っていた。
なんだか不思議な感じがする。
その少年はまるで鏡を見ているかのように自分とそっくりだった。

「君は…?」
『僕はもう一人の君、かな。君の名前がロウだから…カゲロウってことでいいや。』
カゲロウと名乗った少年はどこかしら楽しそうな気を出していた。
『それにしてもあの言葉は無いねぇ。親が子に言う言葉じゃないよあれは。』
なんだか自分の心を読まれているような気がして少し怖かったが、その分なんでも分かってくれるような気がしてうれしかった。
『これじゃあ住みにくいし自由になれない。君もそう思うよね?』
本能のまま自分は頷いた。
『そう思うんだったら話は早い。邪魔ならこれで家族を―』
自分の手元にはいつの間にか"物"が持たされていた。

『殺せ。』

一瞬耳を疑った。その後"物"が銃だと分かったのは少し後のことである。
「そんなの…そんなの無理だよ…。」
『何を怖がってるんだい?邪魔者はいなくたっていいじゃん。いなくなって欲しいんだろ?自分の居場所が欲しいんだろ?』
「そうだけど…。」
『だったら簡単さ。すぐにこの孤独は終わるよ。』
カゲロウの言ってることがよく分からなくなってきた。
別に殺したいほど憎んでるわけじゃないし死んで欲しいと願ったことも無い。
『へぇ〜。それでいいんだ。いつまでも自分の意見出せずに恐れて自分で爆発して何も答えが出ずにただ逃げて。怒って。そんななんも変わりの無い日を送りたいんだ。惨めなもんだねぇ。』
「黙れ!!!」
シーンとした空間に再びカゲロウの笑い声が聞こえた。
『君はいつも黙れの一言で済まそうとしてるよね。そこが餓鬼っぽいって言われるんだよ。分かる?』
「黙れ!!」
『ほらほらまた言っちゃって〜。それしか言えないのかい?それとももうギブアップ?』
「だ―」
『分かってる。どうせまた黙れだろ。負けるのが嫌いだからってそこまで言う必要ないよ。無駄無駄。』
「いい加減黙れよ!!」
手に握っていた銃を前に構え引き金を引いた。
撃ったあとすぐ目を疑った。
さっきまで遠くにいたカゲロウが撃った後には僕の目の前にいた。
『足掻いたって無駄さ。君は僕には勝てない。』
「っ!!」
体に激痛が走った。
銃をホルダーに収めカゲロウは後ろを向いた。
『じゃあ試してごらんよ。君の自由ってものがどこまで通用するか。』
謎の言葉を残し、カゲロウはどこかへと歩いていった。
待てよと声をかけたくても声が出ない。
手を伸ばしたくても何もできない。
まぶたが重い。
そのまま僕は倒れこんでしまった。


目を覚ますと僕は布団の中にいた。
しかし周りには何も無い。
コーヒーの香りが漂っていること以外は何も無い。そんな部屋だった。
呆然と辺りを見回しているとドアが開けられた。
「起こしてしまいましたか?」
「はへ?」
ドア開けたのは40歳後半くらいのおじさんだった。
「今何かお持ちします。」
「あぁ、ちょっと待ってください!」
「はぁ、何か用でしょうか。」
勢いで呼び止めてしまった。が、聞きたいことがあったのに違いは無い。
「ここ、どこですか?」
少し間が空いた。
「そうですね…まずどこから話せばいいでしょうか…。」
自分の聞き方が悪いことに気づき急いで中断した。
「すいません。やっぱりいいです。」
「そうですか。あっ、起きれますか?」
「大丈夫です。泊めていただきありがとうございました。」
「いえいえ。それより何か用意します。カウンターへどうぞ。」
「あっ…お気遣いなく。」
「遠慮なく。まだ常連のお客様は来ませんので。」
「ならお言葉に甘えて…。」

「わぁ〜。本格的なカフェですね〜。」
木のテーブルに木の椅子。天井には回転するプロペラ。そしてコーヒーの香り。
「こういうとこ落ち着きます。」
「このカフェのモットーは『安らぎを与えるような場所』なのでそう言ってもらえてうれしいです。」
「安らぎを与える場所…いい言葉です。とっても。」
マスターが出してくれた朝食を食べ終わりほっとしていた。
「そういえばカーム村っていう名前なんですね。この村。」
「いかにも。」
「へぇ〜。カーム村かぁ…。」
「そういえばあなたもソルジャーなのですか?腰に拳銃がありましたけど。」
「ソルジャー?」
「はい。この村には昔から魔獣が出まして、その魔獣を討伐するのがソルジャーの仕事なんです。ではあなたはただの旅の方なんですね。」
「はぁ…。」
なぜこの村に来たのかが思い出せない。
まぁ少しずつ思い出していくだろうと軽く思っていた。
「すいません。マスターさん。」
「はい。何でしょうか。」
「そのソルジャーってどこに行ったらなれますか?」


それから2年。僕は色々な魔獣を倒し、3人の大切な仲間に出会い、色んな人と交流した。

「そうか…やっと抜けていた記憶が蘇った…。」


『Episode1 〜秘めた孤独〜』 END

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