※星のカービィWiiのネタバレ要素有り
本当におkですか?
カービィ僕は後悔するよ、君にあえにことを―
昼をちょっと過ぎた時、君は走って僕の方に駆け寄ってくる。
左手には何かを握りしめていて、ゼーハーと息を切らしながら「これ…」と花を一輪差し出してきた。
「どうしたんだいカービィ?しかも傷だらけじゃないか…直ぐに手当しなきゃ!」
と言って救急箱を取りに行こうとするとカービィは僕の手を握った。
「あのね…マホロア最近体調悪そうな顔してるから、崖付近の薬草を取りに行ったんだ…そしたらこうなっちゃって。」
「カ、カービィ…」
何か心から心配されてる嬉しさを感じる。けどそんな事は一瞬だけ、だから僕は直ぐに
(ほーんと、お人好しだよねぇ…)
そう裏で思ってる自分がいた。
―だからアイツにも騙されちゃうんだよ…。
色々考えていると、カービィは顔を覗き込んできた。
「マホロア…?」
その吸い込まれそうな目を僕に向け心配そうにカービィは見ていた。
「へ…あぁ!ありがとうカービィ!とっても嬉しいよ!」
はっと目を見開き、慌てた口調で返事を返した。
「良かった…うっ」
カービィはニッコリと安心した様に笑ったが、傷が痛んでよろめいていた。
「だだだ大丈夫!?ちょっと待ってて、今いろいろ持ってくるから。」
「うん…よろしく…。」
平和な国プププランド
皆が穏やかで時間も忘れてしまいそうになる場所だ。
だからこそ、ここに来ると僕がやろうとしてる計画が崩れてしまう。
ずっとここにいれたらいいなぁ
でも違う、僕に与えられた使命は住むことじゃ無くて支配することだ。
君もどうせ、僕の正体を知ったら嫌いになっちゃんだろ。
それで良い、それが良いんだ。そしたら僕はプププランドのことを忘れられるから。
「カービィ、オヤツでも食べるかい?」
3時ぐらい、僕は食事に誘ってみた。
するとカービィの目はパァァと光だし食べる食べるとはしゃぎだしたのだ。
僕とカービィは船から出て近くの泉の前で食べる事にした。なんともすがすがしい風が、マントをなびかせている。
「ありがとうマホロア!凄い美味しいよ!!」
カービィはドーナツを両手に持ってパクパクと食べている。
「マホロアもほら、食べないの?」
「あぁ、じゃぁ頂こうかな…」
僕はドーナツを食べようと手を伸ばした、
が
きずいたらカービィの手を握っていた。
そして僕はこんなことを言っていた
「ずっと…友達でいようね、カービィ。」
一瞬、風がびゅうっと強くなったように感じた。その冷たさに触れ、僕は正気に戻る。
「あ…ごめんね、さっきのは忘れ」
「うん、ずっと友達でいようね。マホロア!!」
僕の言葉をさえぎるかの様に、カービィは元気良く言った。
友達―
なぜこんなこと言ってしまったのだろう、今でもさっぱりだよ。
だけどその時は悪いきがしなかった、むしろ嬉しさで一杯になったよ。
「船まで直して貰って、本当感謝するよぉ。」
そんな事を忘れて、君の目の前にいる。
本性と言う名の姿で。僕はカービィの顔をみた。動揺しつつも、疑問に満ちた顔だ。
「なーんて顔をしているんだい?カービィ?」
フッと鼻で笑いながら言うとカービィはこう言ってきた。
「何で泣いてるの?マホロア。」
―え?
片手で、ほうの所を触ると湿った感触が伝わってきた。
「なん…で…」
おかしい、なぜ僕が泣く必要があるの?もうすぐで夢が叶うってのに。うれしい、そう嬉しいよ…
「マホロア…無理しないで。」
フッと言ったカービィの言葉に、精神が崩れそうになった。
「違う、僕は…僕は自分の野望を叶えられたんだ…無理なんかし…」
「戻ろう、ポップスターに。」
カービィはまた言葉をさえぎった。
よく分からなかった、泣いている理由も、
―戻ろうって言われたときの嬉しさも。
僕が思うに、君のせいで感情が変わっていってしまった。悪意でしかなかった心が、君の雄姿ある姿に見とれて安心感や癒しを求めていた…ずっとポップスターにいたいって気持ちも。
「…らない。」
「?」
「…いらないよ。」
「どうしたのマホ」
「こんな感情要らないヨォ!!」
「え…」
あの時のような、またちがった風がカービィ
達を切り裂く様に通った。
「スッゴい…スッゴい楽しかったヨ…ポップスターではイロイロ勉強になったよ、感情とか仲間とか、絆とか。でも僕にそんなの必要無かった。ただ君達を利用しているに過ぎないし、船が出来ればそれで良いって思っていたのに…」
息を荒げ、こう続けた。
「あんな演技でも…心から喜んでくれて、嬉しかったよ…本当、お人好しだと思ったよ…。」
「マホロア…」
カービィは動揺しつつも、真っ直ぐ前だけを見ていた。
「―マホロアの感情は、演技何かじゃない…あれがマホロアなんだよ。」
「…え?」
「もしかしたら、最初出会ったときは演技だったかもしれない。でも、最近は心から嬉しそうな顔してたよ。―オヤツの時も『ずっと友達でいようね』って言ってくれたときは凄く嬉しかった…。だから演技何かじゃないマホロアを見て、感情を隠そうとしていたから言葉をさえぎってでも言ったんだ…うん!って。」
「カービィ…」
もう、涙を止める事が出来なかった。嬉しさと悲しさが入り交じって、壊れそうだった。
「カービィ、僕…僕…」
「何も、言わなくても良いよ。」
僕は、しばらく泣き続けた。
もうどれぐらい泣いただろうか、突然メタナイトが声を上げた。
「おい!あれを見ろ、マスタークラウンが!!」
マスタークラウンは、ぼんやりと黒くなっていきマホロアの頭に乗っかった。
「…!?」
突如、体のそこから何かが込み上げてきた。邪悪な、黒い感情が心を蝕んでいく。
せっかく、手に入れた友情は一瞬にして消えてしまった。
「たす…け……―」
意識が遠ざかり、視界が暗くなっていきやがて、何も見えなくなった。
「…っ」
メタナイトは走り、ギャラクシアを振り上げマホロアに向かって思いっきり降り下ろす。が、何らかの力によって弾き飛ばされてしまった。
「ギャラクシアでも駄目…か。」
メタナイトはマントを整え、定位置に着いた。
「マホロアに残っている邪悪な心が、マスタークラウンに反応したんだな…」
デデデは、ハンマーを構えた。
「マホロアさん…」
ワドルディは驚きつつも、デデデの真似をした。
「みんな…」
カービィは振り向き、こう言った。
「助けよう、友達―マホロアを。」
---END---