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小説「
さよなら、1996年。
」を編集します。
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作者名
おみやん
タイトル
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内容
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朝。あかねは目を覚ました。 今日は3月21日。外は晴天に恵まれている。 いつもの様にあかねは支度をして、学校に言った。 「行ってきまーす!」 「いってらっしゃい〜」 あかねの元気な声がリビング全体に響いた。 そう。今日は6年生の卒業式。 あかねは5年生なので、卒業式を盛り上げる大事な役割があったのだ。 学校の屋上には祝福の旗が立ててあり、いつもより校舎が綺麗に見えていた。 途中で流星と会って、話しながら校舎内へ入った。 「やぁ。流星君。おはよう」 「あかねちゃんおはよう!今日は卒業式だね。」 校舎に入ると、6年生の保護者と、着物やスーツ姿の6年生が体育館に入るところを見た。 「なんだか、いつもと景色が違うね…。」 「うん。いかにもお祝いって感じだね。」 いつもの学校が違う景色で溢れ返っているのを見て、2人は少し嬉しかった。 その奥に、懐かしい姿があった。 ともだった。 「あ!ともくんだ!」 2人は声を合わせて言った。 「あ、久しぶりなのサ〜。」 マルクごっこの口調で話した。 「ともくん!元気が出てよかったね。」 「うん。病気が完治したからね。」 「じゃあ、行こう!」 3人は体育館まで足を運んだ。 2時間後、6年生たちは無事に卒業し、卒業式も終了した。 あかねたち5年生は誇りを持った気持ちであった。 会場の片付けを終えて、あかねたち5年生が帰宅するのは、正午の12時ぐらいのことだった。 3人で仲良く帰った。実はあかねの家に集合する予定にしていたのだ。 「あぁ、感動したね。」 「あんな体験初めてだったもんね〜。」 「うん。」 3人で仲良く話していた。 帰る道中にある大きな桜の木も、小さなつぼみができていた。 そこで、ともは気づいた。 「あれ、マルクじゃない?」 「ほんとだ!マルクじゃないか!」 「話しかけようよ〜。」 3人は、マルクのもとへ駆けて行った。 「マルク!久しぶりだな!」 「ん?何なのサ…って、あ!キミは!卒業式どうだったのサ?」 「無事に終わった。感動する会だったぞ。」 あかねは笑顔で答えた。 ともは、久しぶりにマルクを見て嬉しがっていた。 「あぁ、そうだ。マルクも一緒に遊ぶ?」 流星がマルクに聞いた。 「遊びたいのサ!!」 「じゃあ、レッツゴー!」 3人とマルクは、あかねの家へと向かった。 家に着くと、おじいちゃんおばあちゃんは歓迎してくれて、マルクのことに関しても気にしたり怪しんだりする様子もなかった。 「SDXやろうよ!」 流星が提案すると、ともは驚いた表情で言った。 「え!?手に入れたの!?」 「うん。買ったんだ。」 2人で言った。 ソフトにも問題は無く、2人ずつ楽しく遊んでいた。 もちろん、マルクもね。 突然、何かに あかねは気づいた様に言った。 「そういえば、マルク、お前SDX欲しかったんだよな?」 いつものあかねの口調でマルクにきいてみた。 「あぁ。そうなのサ。でもそれはあかねのものでいいぜ。」 少し諦めた様な言葉だった。 「ねぇ、これマルクにあげても良いんじゃない」 小声で流星があかねに囁いた。 それに、ともも賛成し、あかねは言った。 「なぁ、マルク。これあげるよ。SDX。欲しかったんだろう?」 「え…良いのか…?」 マルクの表情は戸惑っていた。まさか、こんな展開になるとは思っていなかったからだ。 「別に良いんだ。私、マルクのファンなんだからなぁ。」 「え…まさかそうとは思わなかったのサ…。あ、、えっと、ありがたくいただくのサ。」 マルクは照れくさそうにSDXのカセットを受け取った。 そのお礼なのか、マルクはこう言った。 「…現代に帰してあげるのサ。勝手にこの年に連れ込んだのは反省してるし…。」 だけど、あかねは断った。 「良いんだ。別に。今こうしてたくさん友達ができたことで十分だ。それに、学校生活は現代よりも楽しいし。友達がいっぱいできたからな。」 「でも、現代に帰れなくていいのか?家族にも、友達のみずなにも会えないんだぜ?」 マルクは、少し深刻そうな顔つきで言った。 「そうか…。そうだなぁ。向こうにも心配かけちゃ悪いし、、頼むよ。」 あかねは寂しさで帰りたいという言葉を発せなかった。 「なら。最後にお別れ会しようよ。せめて最後は笑顔でお別れしたい。」 流星が言った。 「そうだな!」 「いいね!」 「いいねなのサ!!」 皆んなでお別れ会をして、時計はいつの間にか4時を指していた。 「あっという間だったね…。」 「…うん。」 あたりには寂しい雰囲気と共に、先程までの楽しい雰囲気が少しだけ漂っていた。 そこで、マルクは口を開いた。 「流星、キミとはお別れなのサ…。」 「そうだよね…。僕、この年の子供だもんね。」 「流星君。最高の友達だった。そして、今までありがとう。」 あかねは、少し泣きながら言った。 ともも、寂しさで言葉が出なかった。 あかねは、おじいちゃんとおばあちゃんがいる部屋まで行って、感謝を伝えに行った。 「えっと、おじいちゃん、ごめんなさい。現代の方の家族にも迷惑かけちゃうので、一旦帰ります。そして、本当に、ホントにありがとうございました!」 頭を下げて、言い切った。 だけど、おじいちゃんはこう言った。 「全然。気にすることないんだよ。こちらこそ、あかねちゃんと過ごせるのが楽しかった。またおいでよ、この年に。」 笑顔で言った。 おばあちゃんも、励ましのことばをくれた。 「あかねちゃんが、現代で楽しく暮らしているなら、それで十分だよ。こちらこそ、ありがとうね。」 「はい…!」 あかねは、泣き顔を手でこすってごまかした。 やがて、マルクが言った。 「行くなのサ!ちゃんとつかまっててなのサ。」 「オーケー!」 「わかった!」 あかねとともは言った。 あかねとともを乗せたマルクは飛び立った。 あかねとともは、流星や、おじいちゃん、おばあちゃんに手を振った。 1997年の街並みが綺麗だった。 「バイバーイ!」 「また会おう、1996年!そして、皆さん、お世話になりました!」 「ありがとう。1996年。」 あかねとともは、みずなの声で目を覚ました。 現代に帰ってきたのだ。 「2人とも、何やってたのよ。」 「ん…あ、ここはどこだ、、」 「え、ここはどこ…」 「2人とも、家出したとか言われてたのよ、まぁでも、見つかってよかったよ。」 しばらくして、2人は顔を合わせて言った。 「夢だった…のかな?」 「多分…そうじゃない?」 3人は現代のあかねの家の前に居た。 その奥にある、おじいちゃんおばあちゃんの家が懐かしく見える。 「じゃあ。良い夢だったね。」 「すっかり家の位置忘れちゃったよ…〜。」 ともは言ったので、2人で笑った。 何を言っているんだろな、とみずなはクスッと笑ってしまった。 そこで、2人は起きたこと全てをみずなに話すことにした。 「ふぅん…。そうなのね、少し信じがたい話ではあるけどね。」 みずなは、疑いの顔でそう言った。 とりあえず3人は家に入って、あかねの部屋へ行って見た。 「え…これは何…?」 「byマルク…?」 「ホントだったの…」 3人は驚きを隠せなかった。 そう。そこには、マルクのぬいぐるみと共にSDXのカセット、手紙が置いてあった。 夢ではないと2人は確信し、みずなはこれが真実であると確信したのであった。 その手紙には、こう書いてあった。 『SDXのカセットとぬいぐるみはキミたちのために僕が買ったのサ。そして、ありがとう。おかげで優しさを知ることができたのサ。 byマルク (3月21日)』 「マルク…。ありがとな…。」 「まさかそうとは…。」 涙目でその場で呟いてしまった。 みずなも、2人と会えた嬉しさで泣いていた。 ふとあかねは、タブレットを開いてみた。 日時は、3月21日になっている。 あれから27〜8年先にタイムワープした訳だ。 「夢じゃなかったのか。だからこそなんだか寂しいな…。」 3人で窓の外の桜のつぼみを眺めていた。 その時、どこか懐かしいアイツが空を飛んでいた。 「マルクだ!!」 あかねとともは思わず指さして言ってしまった。 「あれがマルクなんだ!」 みずなも叫んでしまった。 その声が大声だったので、マルクも気づいていた。 「おぉ!あかねなのサ!この度は本当にありがとうなのサ!」 だけど、マルクの上に誰か乗っていた。 流星だ。 「あ!流星君!」 「やぁあかねちゃん。僕もこの年に来ることができたよ。」 「き、君は…?」 みずなは戸惑いを隠せず言った。 「僕、流星。あかねちゃんととも君の友達だよ。」 「よろしくね。流星君!」 「こちらこそ!」 マルクも口を開いた。 「SDXをもらったのと、今までの感謝で、現代と昔を行き来できる様にしたのサ♪」 マルクは笑顔で言った。 3人はびっくりした。 「え、、ホントなのか!?私側からも感謝しきれない…。」 「え!?良いの!?マルク…。」 「そんなことができるなんて…!」 「そこまで気にするなって。ただのお礼だぜ。」 「そうだよね。マルク♪」 流星も言った。 「あ、見て!空が!」 みずなは驚いたように言った。 「綺麗だな〜。夕日久しぶりに見たなぁ」 「綺麗なのサ!」 「あの時みた夕日みたいだな…。」 「こんな綺麗な夕日みたの、初めてだわ…。」 空には、1996年のあの時の様な夕焼け空が、広がってた。 「また行こうぜ。1996年に。」 あかねは皆んなに言い聞かせる様に呟き、ニコッと笑った。 「SDXを探しに。」完
投稿者コメント
以上で、「SDXを探しに。」完結となります。 ご愛読頂きありがとうございました。 作者から、心から感謝しております。 ご要望(おまけの続編)などありましたらお気軽にお声掛けください。 作者側からも、気が向いたら投稿するかもしれません。
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