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小説「
第11話:ひしょすーじー
」を編集します。
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作者名
テーリィ
タイトル
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内容
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扉の向こう――ガラス張りの壁に包まれたホール――に、1人の女性が佇んでいた。 三人が押しかけてきたことに気付き、ゆっくりと振り返る。 「フフフ...こんな所にまで、ゲンジュウ民が来るなんて」 女性はピンク色の髪をなびかせ、カービィたちを水色の目で見つめる。サーバルは、彼女を睨みつけた。 「ああ、申し遅れました。ワタクシ、『ハルトマンワークスカンパニー』の社長秘書を務めております、スージーと申します。以後、お見知りおきを」 「どうして...ジャパリパークを機械にしたんですか!」 「みんなを元にもどしてよ!」 「あら、お分かりになりませんの?」スージーと名乗ったその女性は、余裕たっぷりの態度で、窓の外を示した。 「ご覧ください、この豊かな植物や水、きれいな空気、鉱産資源...この星、とりわけこの島には、莫大な資源が眠っているのです」 「資源...?ってなに?」 「そこなのですよ。アナタ方ゲンジュウ民は、その値打ちさえわからずに...」スージーは肩をすくめ、首をふった。 「と、いうわけで...アナタ方は、われわれのキカイ化侵略プロジェクトにとって、ジャマな存在と判断されました」 「ええっ!?」「なんだって!」 「ここまでご足労いただき、たいへん恐れたまわりますが...」 スージーはうやうやしく姿勢を正し、強い口調で告げた。 「速やかに...駆除、されてくださいませ!!」 彼女が手元のリモコンを操作すると、金属音とともに何かが降りてきた。 赤紫とクリーム色の、パワードアーマーだ。ロボボアーマーよりも華美で、一回り大きい。スージーはそれに素早く飛び乗った。 「この幹部専用アーマー、リレインバーでお相手させて頂きますわ」 そしてこう続ける。「アナタ方の潜在能力は、素晴らしいものばかりですわね。出来れば、傷付けずに捕らえたかったのですが...ワタクシ、本気になると手加減できない性分なので!悪く思わないでくださいませ!」 《BGM:vs.悪のカンパニー》 言うが早いか、リレインバーは早速攻撃を仕掛けてきた。跳躍を繰り返しては、三人を踏みつけようと急降下する。 「わぁっ!」 カービィは氷の吐息で、機敏な相手の動きを封じようとする。しかしリレインバーは素早く、冷気を全て跳んでかわしてしまう。 「なるほど...凍りつかせて、隙をつくろうとしてますのね。でも、そう上手くいくかしら!」 ホールの対極に着地したリレインバーを、スージーは高速で回転させ始めた。 「あんなのにぶつかったら...ひとたまりもないよ!どうするの、カービィ!?」 だが、カービィは何も言わず、突っ込んでくるリレインバーに向かって走り出した。 勢いをつけて滑走を始め、そして―― 「“こちこちタックル”!」 自身の体を氷の球に包み、カービィはリレインバーに体当たりした。独楽のような激しいぶつかり合いが続き、火花が散る。 やがて、カービィのパワーに押され、リレインバーのほうがフロアの隅に追い込まれた。 「氷の鎧をつくるとは...考えたわね。ならば...お遊びはここまでにしましょう!」リレインバーはカービィの渾身の体当たりを、跳んでかわした。 リレインバーがホールの中心に着地すると、そこが急にせり上がった。 てっぺんに立ったスージーがコントローラを操作すると、リレインバーの背に2つ、コマのような形の物体が現れる。その物体はリレインバーから離れ、虚空をしばらくふわりと漂ったかと思うと...突如、カービィたちに向かって突っ込んできた。 「!!」 三人が間一髪でそれをかわすと、物体は爆発を起こした。 「『ドリー』をかわすなんて...本当に優秀な身体能力ね。でもね、一発避けて終わりと思ったら大間違いよ!」 ドリーと呼ばれたその物体は、次々にリレインバーの背に現れては、カービィたちに飛んでくる。 「あっ!“こちこちガード”!」 かばんが避けきれなかったドリーを、カービィは咄嗟に氷の盾で防いだ。 (あの猫耳のゲンジュウ民、どこ行ったのかしら?どうせ爆風に怯えて、シッポを巻いて逃げたに決まってるわ) スージーはそんな事を思いながら、防御に徹して動けないカービィとかばんにドリーを連射する。彼のほうもしばらくは耐えていたが、やがて、氷の盾にヒビが入り始めた。 「ウフフッ!その盾で、どこまで持つでしょうね!」 「っ...」 勝ち誇ったスージーは、二人に向けて4発のドリーを同時に放った。しかし、それを見据えるカービィの顔には、まだ余裕の色があった。 氷の盾は爆風でこなごなに砕け散った、と思われたその時...黒い煙の中から、氷のつぶてがいくつもリレインバーに向かって飛んできた。スージーの笑みが、一瞬引きつる。 「...え?これが最期の反撃、ってワケ?」リレインバーは造作もなく、つぶてを右腕で払いのける。 次の瞬間、スージーの目に映ったのは――いつの間にか、自身のマシンの目と鼻の先にいる、ピンクのストレンジャーの姿だった。 「“こちこちブリザード”!!」カービィが全身から、強烈な冷気を放出した。リレインバーはかわす隙もなく、あっという間に氷漬けになってしまった。 「あらあら!ワタクシのマシンがカチコチになってしまいましたわ!どうしましょう... なーんてネ!こんな氷、キカイの熱ですぐに...」 「とかしていいよ!」やや場違いな、カービィの明るい声がホールに響く。 「...え?」 「だってその氷をとかして、ぼくとかばんちゃんに攻撃するんでしょ?」 「そりゃ、そうですけど...」 その言葉を聞くやいなや、カービィは自信を持って叫んだ。 「今だよ!サーバル!」 「!?ハッ、もしや...」スージーが振り返ると、そこには...逃げたと思っていた、あの猫耳のゲンジュウ民が! 「うみゃみゃみゃみゃみゃ〜っ!!」 サーバルは助走をつけて大きくジャンプし、そのままリレインバーの背中に、自慢の爪の一撃を思い切り加えた。 動力部分に大きな傷がつき、リレインバーはすぐに大破してしまった。 「キャアアア!」 相手の動きを凍らせて封じるというのは、いつでも効果的な戦略ではない。 相手にはその氷を溶かすための手があるかもしれないし、そもそもヨガンやファイアゼリーのような敵でない限りは、すぐに有効打を与えることはまずない。 だからこそ、カービィは、三人のチームプレーを信じ、自身に注意を向かわせ、二重に敵の隙を作ったのだ。 スージーはリレインバーの爆発で投げ出され、しばらく倒れていたが、やがて三人の視線を感じて起き上がった。 「さあ...パークを元に戻して!」 「フフッ...なかなかのお手並みでしたわね」社長秘書は平静を保ったまま告げる。 「特別に、良いことを教えてあげますわ。この『キカイ化侵略プロジェクト』...ただの資源だけじゃなく、さらにもうひとつ、わが社にとって重要な目的があるんですの」 「何言ってるの!はやくみんなを戻して!」 「アナタ方とは、話が合わないみたいね。それなら...」 スージーがコントローラをまた操作すると、彼女の体が急に光に包まれた。簡易転送装置を起動させたのだ。 「ゲンジュウ民とストレンジャーのミナ様...また、お会いしましょう!アディオス!」 「待て〜っ!みんなを元に戻せーっ!」 サーバルはスージーに飛びかかろうとしたが、一瞬早く彼女の姿はかき消えていた。サーバルは勢い余って、床にびたーんと激突してしまった。 「あいたたた...」 「スージーさん...行っちゃったね」 「もう...許せない!はやく、あいつの所にいこう!」 「うん!ぼくたち三人なら、ぜーったいまけないよ!いざ、あの大きなまるのところへ〜っ!」 「気を引き締めていきましょう、カービィさん!」 そして三人は、誰もいないホールを後にした。
投稿者コメント
高瀬カービィのあのスージーの非情さは個人的に解せない。 7/9追記、補足 原作のロボプラだと、スージーは戦闘後にプロペラの脱出装置でどっかに行きますよね。でもこの小説でそれをすると、サーバルちゃんがあっけなくジャンプで捕まえてしまえるので、テレポーターで直帰、というふうにしました。
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