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小説「
1.追いかける勇気
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作者名
ヒガシノ
タイトル
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内容
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最後にあなたを見てから3日。 あなたがテレビに実名報道されてから2日。 あなたがいないことに耐えられなくなってから1日。 毎日スマホを見るの。あなたからの連絡がありはしないかと虚しく目を開けて、通して、閉じて、涙流して。 あなたのただいまが聞きたい。あなたにおかえりなさいを言いたい。 それすら叶わないんだって。神様は残酷だね。 でももういいの。 私がただいまを言うから、あなたはおかえりって言ってね。 そんなこと考えながらあなたを追いかけようと思ったら、足がすくんじゃった。一歩も動かない。追いかけるのには、49kgの愛情だけじゃ足りなかったみたい。 だから、1gが24粒入り、24gの勇気を水と一緒に飲み下した。 このときあなたがいれば、泣きながら、「そんなことやめて」って言ってくれたかな。 震える手で救急車を呼ぼうとしてくれたかな。 軽い足取りでベランダに向かう。窓を開けるとカーテンがゆらめいて、外の新鮮な空気が陰気な部屋へと一気に入ってくる。10月の冷たい風が、あなたみたいに頬を優しく撫でてくれた。 待っててね。今行くから。 足をかけて、がんばって塀に登った。 このときあなたがいれば、びっくりして引き攣った顔で私を引き戻そうとしてくれたかな。 その後でお説教されるんだろうな。 あなたがいれば…。こんなこと考えても無駄だけれど。 注意深く街を見下ろす。追いかける途中で人に迷惑をかけたら、あなたが嫌がるから、しっかり下に人がいないか確認してから、翼を広げた。 24g。風邪薬のおかげで、今ならなんでもできる気がする。 49kg。私の体重、体いっぱいに満ちた愛情をあなたへ届けたい。 飛んで飛んで、雲を掴んだような気分。あなたがかわいいと褒めてくれたツインテールが羽のよう。ただ、翼の役割は果たせず、頼りなくたなびいている。剥き出しの耳の横で風がびゅうびゅう唸っている。 蒼太。家倉蒼太。あなたの名前! 蒼太好き。 蒼太大好き。 蒼太。 あなたが大好き。 大好きよ。 今、頑張って追いかけてるからね。待っててね。 あ あ あ ・ ・ ・ ……目の前が真っ赤。あなたの好きな色は青色なのに。 あなたに会いたい。
投稿者コメント
新シリーズが始まります。 よろしくお願いします!!! 読み:家倉 蒼太(やぐら そうた)です。
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