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小説「
吼える理由
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作者名
想羅
タイトル
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内容
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初めてそう言い渡されたのは、そう、それがはじまって少し経った後のこと。 最初は全く信じられなかった、こんな自分が、ついに前線に出れるなんて。 その割に初陣はしょっぱかったが… でも、兎にも角にも。 嬉しくて、楽しくて、誰よりも真っ先に、伝えたいと思った。 同じ場所に立てる、同じ景色を見れる。 同じようになれる、同じように正義を……とはいかないかもしれないが。 でも、たったそれだけでも十分、嬉しかった。 何よりも軍人として、頑張ってきた甲斐があると感じた。 嬉々としてその報告をして……けれど相手の反応は思ったよりもいいものではなかった。 挙げ句の果てには鼻で笑われて……少し、悔しかった。 でもどうしてだろうか、あの時俺は、あんなにも楽しくて、嬉しいと感じていたんだ……前もって言っておくが、そういう趣味はないぞ。 ジリジリと窓から差し込む光もすっかり薄くなり。 求愛行為に勤しむ、蝉たちの声に眠れない夜に、ふと思い出すのは、あの日のこと。 従わせる側と従う側、駒と仲間。 その会話で、幾らあいつの言葉でも、少し同意出来ないところがあった。 だからこそ、なのだろうか? 次の質問が、とても難しいと感じたんだ。 _____俺には、その時答えが出せなかった。 学んだことを活用して、でも、それが正しいかは全然分からなくて。 そしてそれが正しいか、そう聞く勇気も出なくて。 だから、今もまだ、分からない。 何れ分かる頃には、きっと、終わっている筈だ。 ……ただ、ふとして思うのは、看取るよりも、誰かの代わりに死ねたら、ということ。 だってそうだろう?知らないところで、いつの間にか死んでました、目の前で仲間が死にました。なんて、そんなことあってはいけない。 戦争なんてしていれば当たり前……そんなことは分かっている。 けど、もし、自分の命と引き換えに他人を生かせるなら……そう考えれば、こんな人生にも切り捨てる価値はある。そう思わないか? 軍人としてこの答えは不適切……不適切で、狂ってるかもしれない。 勿論自分が常識人では無い事なんて、百も承知……いや、あの集団の中ではマシな部類であって欲しいが。 兎に角。 黒も白もつけられないこの世の中で、生きるのはそう簡単なことではない。 だからこそ足掻く、だからこそ駄々をこねて。 そして……だからこそ、"愛したい"んだ。
投稿者コメント
諦めきれないのは、彼が彼であるから
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