☆
はじめにお読み下さい
☆
小説に戻る
☆
最近のコメント・評価
☆
キーワード検索
☆
設定
☆
メインページに戻る
☆
サイトトップに戻る
小説「
この歌声がどこまでも 1話 2話 3話(完結)
」を編集します。
* 印は必須項目です。
パスワード
*
新規投稿時に入力したパスワードを入力してください。
作者名
シロカ
タイトル
*
内容
*
1話 暗い森、暗い光、暗い植物、暗い… 何回、何千回と「暗い」っていう言葉がつく森。魔物はでるやら盗賊は襲ってくるやらといろいろ大変な森。そんな森の中でひっそりと暮らしているのがこの私。一人優雅で暮らしているつもりだが、一応私だって苦労している。こんな所で一人虚しく立っているわけじゃない。 お姉さまが死んでしまったー….。いや正しく言えば転生した、のほうが正しいのか?まぁそんなことはどうでもいい。そのお姉さま達が転生をしたせいで、この武器の担当の精霊が、わたしになっちゃったわけ。そしてこの武器は非常に珍しい。そのせいでよく狙われる。…どうせすぐに死ぬと思うけどね。 2話 ふと目が覚めると目の前には見慣れた槍がある。なんとなくそれに触れようと手を伸ばす。でもお姉様は私に触らせてくれない。「危ないから」 そんな理由で私に触らせてくれない。なんとまぁ酷いことだろう、危ないとか別に私にはどうでも良かったのだ。ただたんに見たり触ったりするだけなのに。この槍を私で染めちゃおうとするだけなのに、そんなことすら許されない。だからお姉さまがいない隙にこっそりと見に行こうとしている。でもいつも失敗するばかり。どうしてだろうか?あと数歩の所でお姉さまに見つかってしまう、そして連れ戻される。いつもこんな感じに繰り返している。半人前の精霊だから見つかってしまう、まだまだ力がないから気配を探られて見つかってしまう。昔はそんなことばかり考えていた。どうしても私はあの槍に触れたかった。だから必死に修行した、必死に勉強した、けれども結果は同じだった。なぜだろうか。なんで私はあの槍の為に一生懸命になっているのだろうか。無駄だっていうことも知らずに一生懸命と、まるで自然界の中で最後まで生き延びようとする魔獣のように。 今思うとくだらないことだった。あの時は何もかもが必死になりすぎて辛い…いや、むしろ楽しかったかもしれない。あの槍をこの手で染め上げるのが楽しみで仕方なかったはずだ。でも今となればなんだ?この結果は。私は今幼き頃に触れたかった槍を持っている。いやこの槍の精霊になっている。簡単に手に入れてしまったのだ。あの時私は何が起きているのかいまいち理解できなかった。唖然とする事しかできなかったのだ。 あの時も私はあの槍に触れようとしたのだ。そしてあと数歩と言う所でお姉様に見つかってしまった。今日もだめか、そう思いながらお姉様と一緒に帰った。帰り道はやけに静かだった。長い道も今日はいつもより短く感じてしまった。 「なんで貴方は毎回ここに来るの?ここは凄く危ない森なのよ?」 「…槍をみたかったから。」 「その槍も危ないわ。だから絶対に触っちゃだめ。」 「なんで?」 「それはまだ貴方がー…」 「…」 「…なんでもないわ。忘れてちょうだい。」 「また言った。」 「え?」 そこからはよく覚えていない。気がついたら家にはついていたがお姉様はいなくなっていた。なんも跡形もなく。私はどこを探そうがお姉様はいないような気がした。どうしてだろうか、そんな思いが頭によぎった。そして私は誘導されるかのようにあの森に入った。危険な森なのだが、なんだか静かだった。静かだったせいか私は無意識で歩いていった。するといつの間にか目の前に槍があった。神々しく光る槍。まるで一目ぼれをしてしまったかのように私は息を飲んでその槍にそっと触れた。 その結果が今にいたる。なぜあの槍に触れたのか、なぜあんなに静かだったのか、なぜお姉様は来なかっただろうか。でもそんなのどうでも良かった。この槍に触れたのだから。それからというものの、なんだかとてもつまらない毎日が続いた。魔獣がでようが盗賊がでようが魔法使いがでようがただただつまらなかった。私の中から楽しみという感情がいつの間にか消えていたかもしれない。 そういえば、なんでお姉様はいなくなったのだろう。家出でもないしなぜだろうか。そのことが不思議で仕方なかった。お姉様は私を大事にしてくれた。だからそう簡単に捨てるわけがない。あの森の中にはなんも変わらないはずだ。ただ赤い色の液体があったぐらいしか覚えていない。きっと魔獣とか死んだり、そこら辺にある血だろう。槍に触れた時少し血が付いてたのが違和感だけどあまり気にしなかった。お姉さまはどこに行ったのだろうか。 でも思い当たることが一つある。それは転生だ。精霊は転生ができるからきっとそれをしたのだろう。でもなんで私には何も言わなかったのだろうか? でもそんなのはどうでも良かった。 そんな思い出に耽っていると誰かが私の前に現れた。どうせいつもどうり槍に触れようとして死んでいくだろう。そんなことを考えながら私はぼんやりと目の前にいる奴をじっと眺めた。あぁ、なんて綺麗な深緑色。死んでいくには勿体無い。でもそんなことすら私にはどうでも良かった。ただただ私は緑色のやつを見つめていた。 3話 あぁ、なんということであろうか。 目の前にいるやつ、自分がもうすぐ死ぬとも知らずにいるなんて思ってもないでしょうに。だけど私はどうでもいいかと思うようにあくびをした。 「貴方がこの槍の精霊か?」 急に掛けられた言葉。私はハッとする。 え?今こいつ精霊って?驚きが隠せない私。いや隠せたら凄い。 「聞こえてるか?」 「あ、え?はい」 この感じ。声的に男っぽかった。姿もなんか凛々しい。 「そうか」 そういうと目の前にいる緑色の男が私の手を握ってきた。 「!?」 顔が赤くなる。見知らぬ男に手を握られたのだ。 というか男に手を握られたから。こういうことは初めてだ。わなわなしてたらあることに気づく。 私の帽子についている宝石がキラキラ光ってることに。 どういうことか思い出そうとした。 「これで完了だな」 そういうと彼は私の手を放す。 完了?どういう意味であろうか?理解しがたい。 「え?かんりょ…?」 さっきのことをじっくりと思い出す。 目の前に緑色の男が現れた。 そして私の手を握った。 からの完了。 手を握ってからの完了?私はどこかでそんな感じなのを見たことがあったような。 「私の名はウィン。貴方の名は?」 考え事をしているうちにウィンという男から名を聞かれた。 「名前なんてないんだけど…」 そう、精霊は名前なんてない。ふつうはお姉さんとか妹とか貴方と言っているから名前なんて必要なかったのだ。 ウィン「そうか、じゃあ…」 そこでふと思い出す。 この急にすごいことになった展開…。これは確か昔、お姉さまの一人がやっていたような気がする。 いわゆる、契約なのだ。 ウィン「ニルでどうだ?」 なんとも可愛らしい名前。 けれどもそんなことより私は勝手に契約されたことに驚いている。 「え?ちょっと待って、これさっきやったことって契約じゃ…」 ウィン「あぁ、そうだか何か問題あったか?」 問題?大有り!!なんで勝手に契約されなきゃいけないの? そんな気持ちが頭によぎっていく。 そりゃあこの槍に触れたことについて凄いなーとか思ってたけど。なんで勝手に契約!? 「ちょっと待ってよ!なんで勝手に契約をされなくちゃいけないの!?」 ウィン「貴方は精霊なのに知らないのか?こういう物に宿っている精霊は勝手に契約していいのだと」 …不覚だった。確か昔お姉さまが勝手に契約されてそいつの僕になったんだっけ? ということは私もこいつの僕になる!? 「…なによそれ。そんなの勝手!なんで一方的に契約をされなくちゃいけないの!?」 目の前にいる男は少し呆れている。 でもしょうがないでしょ!?私の意見もなしに契約? こんなの酷すぎる! ウィン「武器は人を選ぶ。精霊の意見もなしに武器が選ぶ。」 「え…」 ウィン「この槍に触れようとした者は死んでいったのだろう?そいつはこの槍が気に入らなかったからだ」 ということはこの槍はこの目の前にいる男を選んだってこと…? 「そう…なんだ。…確かにいままでこの槍に触れようとしたものは必ず死んでいた。」 そういえば私も勝手に槍に触れて宿っちゃったんだっけ? 私も一方的な契約をしてたんだ。槍のことも考えずに。 急に気持ちが落ち着いてきた。 私はこの目の前にいる男…ウィンの僕になるのだ。 ウィン「そうだろう?私との契約。いいか?」 何を今更。でもちょっとわくわくしてきた。 これから旅にでるのだ。 この槍を持つんだ。 ここから離れるんだ。 「…はい。これから貴方と共に生きていきます。」 ウィン「よろしく頼む。所で…」 なんだか気分が良かった。もし別のやつだったら…。 考えたくもなかった。 ウィン「名前、ニルでいいか?」 ニル…。 ニル「はい。ご主人様。名前、ありがとうございます」 嬉しかった。名前を付けられたのだ。 精霊なのに名前を付けてくれたのだ。 ニル「…でもなんでニルなのですか?」 ウィン「秘密だ」 秘密と言われたがまぁいい。 これからご主人様と一緒に旅をするのだ。うれしい。 楽しみ。 ウィン「さっそくだが旅にでる。いいか?」 この森ともおさらば。お姉さまとの思いでもおさらば。 でもなんだか気分が良かった。 さぁ行くよ。 私は貴方がどこまで行こうと一生僕となります。 ニル「はい。ご主人様」 THE~END~
投稿者コメント
終わったー 追加エピソード?そんなの知らんです。 まぁ生暖かい目でみていただきたいです
この小説を削除する
(削除する場合のみチェックを入れてください)
※シリーズの第1話を削除するとそのシリーズ自体が削除されてしまうのでご注意ください。
(c) 2010, CGI Script by
Karakara