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小説「
ドキッ☆神様だらけの忘年会!
」を編集します。
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作者名
想羅
タイトル
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内容
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天空の、そのまた遥か遠くにある『神界』。 そこは多種多様な神々が住まう地として、古くから伝承により語り継がれた場所である。 そこでは様々な種族の管理。 新たなる生を迎えようとする者達の管理。 言うなれば私達とおなじ事務作業をやっている。 ____が、神様も年がら年中仕事をしている訳でも無く。 そこには私達のように居酒屋で一杯交わす『あほの子』共がいた。 「んじゃあ…今年もお疲れ様でしたっつーことで…」 「「「「「かーんぱーい!」」」」」 カランとぶつかり合うコップとコップ。 つがれた麦酒の泡が弾けては消えそして膨らむ。 勿論イッキだ。2人除いて。 ゴクゴクと心地よい音を立てながら球体達は並々一杯つがれたそれを飲み干したのだった。 それを呆れたような目でみるのはまだまだ子供の『空神リベロ』。 コップの中に入っているのは生まれてこの方口にしたことの無い不思議な黒っぽくて泡が一杯の飲み物。 神々(作者の中では)はこれを神の作りし美酒…『ネクタル』と言うのらしい。 しかし、いつまでも疑ってかかっていても仕方が無い。 とりあえず、喉も乾いたし一口飲んでみることにした。 瞬間、体全体を清涼感で満たされる。 口に入れた瞬間、宝石のような泡は弾けてそして口全体に広がる。 初めて飲んで、初めて味わって。 これほど美味と思った飲食物がかつてあるだろうか? いや、無い。確実に。 駄目だ、病み付きになってしまうううううっ! そんな幸せそうな顔をする空神を優しい目で見るのは『雷神ボルテ』。 イッキなんて馬鹿なことをしない所を見るとどうやら精神的にも大人らしい。 ちびちびと麦酒を口に入れる辺り、お酒に弱いのだろうか。 『神様方〜、お料理運びに参りました〜。』 のほほーんとした声の後顔を出すのは大量の料理。 肉料理、魚料理、野菜料理、そしてご飯。 一人ではとても食べきれない量の料理が神様ご一行に運ばれてきたのだった。 「グレェェェェェィィィトォォォ!ワァァァンダフゥゥゥゥルゥゥ!」 と近所迷惑極まりない声ではしゃぐのは『風神のフウ』。 どうやら、大量の料理の山を見て興奮しているらしい。子供か。 酒が入るとキャラが変わるという人は万国共通のようだ。 「ふむ……この肉料理は中々に美味そうじゃのう。」 箸を手に持ちながら言うのは『竜神のドラコ』。 そしてその隣には竜神の身の丈を越えるほどの竜がちょこんと座っていた。 目線は完全に肉料理の方を向いている。あ、よだれ。 そんなこんなな神様忘年会。 唯一口を開いていないのは魔神族を統べる神である『魔神セト』。 ただただ麦酒を飲むばかりであるがとても楽しんでいるという様子では無かった。 そんな魔神に風神がつっかかった。 「HEY?折角の宴なんだぜ?」 「もっとパーと盛り上がるのが礼儀ってもんじゃないか?魔神のおっちゃんよぉ?」 酒瓶片手に言う風神は何やら気に食わないようで。 当事者でも無いのに盛り上がれという指示を出す。 しかし、どうにもこうにも。 魔神は真面目であるが故、ハメの外し方というものがよくわからないらしい。 でもそこまで黙りこくることもないだろう。 「……魔神よ。何をそんなに悩んでおるのじゃ?」 「折角の宴が台無しじゃぞ。」 酒片手に言う竜神は心配そうにいう。 竜のほうは肉をガツガツと凄い勢いで食っている。 まるでこの空気なんぞ知ったこっちゃないと言った風に。 ふむ…と小さく呟く魔神の顔はそれはもう深刻そのものであった。 一体何事なのか、竜神は早急に聞き出そうとする。 が、それよりも早く、魔神は口を開いたのだった。 「まずは……そうだな。」 「今年度の神順位(ランクオブゴッド)なんだが……。」 神順位。 その言葉を聴いた途端、神達は皆真剣な顔になる。 神の世界にも、やはり優劣は存在する。 それは人間と同じようなこと。 ゴクリと固唾を飲んだのは雷神。 これは我々の名誉にも関わること。 最下位なんて取ってしまった暁には我々の地位はがた落ちである。 だからこそ、気になるのだ。 これからの方向性を決める為にも。 「順位は……まぁまずまずだ。」 「しかし仕事的に言えばそれはもう酷い点数らしいな。」 順位はまずまず。 しかし仕事的に言えば酷い点数。 =サボり魔の仕業。 全員の視線は真っ先に風神のほうへ。 当のサボり魔は未だにヘラヘラとした笑みを浮かべて酒を飲む。 それが凄くしゃくにさわる。 こんな奴が神様なんて、未だに信じられない、いや信じたくない雷神であった。 「風神、フウよ。」 「お前に非があるとは言わない…しかし、何故そんなにサボり癖があるのだ?」 魔神の問い掛けに対し、風神はというと。 「んなもん知らねーよ。」 「言っておくが俺だって好きでサボり癖持ってるわけじゃないぜ?」 今一瞬怒髪天をつかれそうになったが、押さえ込めた、よかった。 もしコイツが雷神族の者であったら即座に炭と化させていただろう。 魔神にそこまで無礼な口を聞ける。 そして魔神もそれを了承しているのは。 『やれば誰よりもできる子』、だからなのである。 ただ、その本気は決して見せない。 いつもヘラヘラ、生意気な口。 とても神様とは思えぬその態度。 雷神が魔神の立場だったら、即刻追放だ。 そしてその盲を魔神に伝えると必ずこう言われるのだ……『見えるものが全てとは限らない』と。 少なくとも雷神は風神の本気を見たことが無い為とても信じられなかった。 だからなのだろう、いつもきつく当たってしまうのは。 それでも、そうだな。 「もうッ、いっつもあんたがサボって……」 がみがみと口うるさく言うのも。 最後なんだし良いじゃないか。 その後も神の宴は続いた。 勿論脱落者大多数。 生き残ったのは風神と魔神、だけであった。 「なぁ、魔神よ。」 酒を片手に、彼は問う。 何って?そりゃあ決まっている。 「……『俺は神になんか、なれる器じゃないだろ。』」 魔神は小さく笑い、また酒を飲む。 「仕方ないだろ。」 「全てあの方の思し召し。我等はあの方には逆らえない。」 苦笑気味にそう返す魔神は疲れきった表情。 既にもう三人が寝息を立てているのだ。 此方もそろそろ……頃合いだろう。 最後に小さく、風神は笑った。 ああ、そうかい、そうかい。 「俺は……生きてみたかったな。」 その呟きは、空気に溶けて消えた。 小さく、儚いその願い。 叶えられる事など、ないというのに。 聞き届けられることなど、ないというのに。 今も尚、それを望む神。 生を歩みたいという、愚神。 「我ながら、狡猾だな。クックック…。」 馬鹿馬鹿しい。 今更望んで何になるというのだろうか。 それでも、憧れていた。 風のように気ままに。 何処へ行くかも分からぬ宛の無い旅。 1つの林檎をかじりながら。 1つの町を自由に歩く。 そんな生活、最高じゃないか。 そんな生活、してもいいじゃないか。 「嗚呼、そうだな。」 「神様なんて、くそくらえだ。」 最後にそれだけ漏らして、風神の意識は深層へと落ちていった。 「……そう。それが正解なんだ。」 魔神は小さく呟く。 「良かったなぁ、糞神さんよ。」 嗚呼、思わず笑いが出てしまう。 「どうやら、全部、手筈通りのようだ。」 洒落た真似してくれるな、とそれだけを呟き。 神達は皆眠りについた。 宴は終わった。 舞台は終わらない。 それはほんの1ページに過ぎないのだ。 翌日、色んな意味で地獄絵図になったがまぁそれはまた別の話。 こうして忘年会は終わった。 神は大満足して帰っていったとさ。
投稿者コメント
文書けるようになりだいよぅ………
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